[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
「大馬鹿者!」
毎度おなじみ、磯野波平(永井一郎さん)のお説教は、この一言から始まる。
彼はその愚息、磯野カツオに対し言葉の暴力を浴びせているというのであろうか。
波平の台詞「大バカ者!」は、「サザエさん」のお約束だということを殆どの視聴者は知っていることだろう。
当然の流れから訪れる場面、あるいは『オチ』とも云う。
もしも、この波平氏が猫撫で声で「どうしたのだね? カツオ君」なんてやらかした日には、もう視聴率の右肩が下がっちまうくらいの改悪と謗られるだろう。
そのくらい、波平の「大ばか者!」は『お約束』な一言だ。
誰だって、「どうしたのだね?」、「なんだって、こうなるんだね?」てな粘着質な追及はご免こうむる。
もう、イカンと言ったらイカン。
ガツンと一発、「大馬鹿者!」ありがとう。
親父のカミナリ。
すっきり怒られとこうよ。
さて、昨今の報道の『流行』はと云えば。
『いじめ』事件をほじくりかえすことには既に飽きがきたとみえて、教職員による生徒へのパワハラを叩くことが流行っているらしい。
「バカタレ」と言われて、小学生が学校に行かなくなりました。
この言葉に馴染みのない地域の方々には、端的な報道によって、まるで恐ろしい暴言のように捉えてしまうことだろう。
御心配には及ばない。
軽く言う「バ~カ」、くらいが同等だ。
あるいは関西域では「アホ」と同義語だと考えてよい。
大阪の小学生が、先生に「アホかお前は!」と言われたくらいで学校が怖くなるのなら、おそらく大阪の小学校は壊滅している。
馬鹿、と言われて学校に行けなくなりました、だと?
そんなバカな!
額面どうりならこの子の保護者は、まるで悪質なクレーマーではないか。
その子は、いったい何にそれ程まで追い詰められたのだ?
何も伝わらない。
その言葉に少年の心が折れてしまうまでの間、いったい何が起きていたのか。
特定の個人あるいは団体に焦点を絞り、叩くことが流行する社会。
端的な情報で、物事を測る社会現象。
『いじめ』そのものではないか。
これこそが。
この国を訪れた異国の民に感銘を与えたはずの、『恥を知る』文化。
なにもかもが、実は既に明治維新のあたりで失われてしまっていたのか。
極端な少子高齢化への危機感以前に、すでに国家衰退のにおいがする。
じつに寒い。
Copyright (c) 2011 theosakaspirit. All rights reserved.
![]() ニーチェの警鐘 日本を蝕む「B層」の害毒 講談社プラスアルファ新書 / 適菜収 【新書】 |