読んで楽しい、腹立たしい、どうにもこうにもアホらしい、勝手でマニアックな映画評、ドラマ評。
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地球はひとつしかない。
遠からず火星に移住したとしても、太陽系はひとつしかない。
逃げ場はない。
逃れられない。
人類は、あの太陽から逃れられない。
分かち合い、共に生き伸びるのか。
奪い合い、滅びの日を手繰り寄せるのか。
戦中教育の本当の効果は、今こそ現れている。
晴れやかに進軍ラッパを吹き鳴らす。
否、正しくは、吹き鳴らさせる者は、だ。
高価な外套を纏い、凍てつく寒さを知らぬ。
軍刀を掲げる者の指は、その柄の冷たさに慄くだろう。
遺される者の背には、誇りと誤書された水引き付きの杭が深々と刺さるのだろう。
硝煙の燻る瓦礫の陰には、ボロ布に身を包む幼子が薄汚れたまま眠るだろう。
吹く風に、流れる水にも、肉眼に映らぬ猛毒が潜むことだろう。
あの、戦時教育の本当の効果は、この国を曳き続けている。
分かち合い、共に生き伸びるのか。
奪い合い、滅びの日を手繰り寄せるのか。
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