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読んで楽しい、腹立たしい、どうにもこうにもアホらしい、勝手でマニアックな映画評、ドラマ評。 Copyright (c) 2011 theosakaspirit. All rights reserved.
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ちょっとね。通常はレスポンスへのレスポンスには反応せぇへんねんけど。
せっかくの機会やから、ポイント押さえてええかな?
明日(もう今日か)は仕事やから、今のうち。

役者でもなく、演出家でも指導者でもないのに、ちょっと演技論を展開してみるわ。
以下は本職の方には片腹痛いと思うから、本職は読まん方がよろしいで。
痴がましい(漢字で書くのが気に入った)いうヤツやん。

役作り、と一口に云っても方法論は人の数だけ存在する。
ここで云うのは頻繁に取り上げている、桐谷健太くんのようなタイプの俳優さんの役作り方法について。
まぁ、単純な分析ではあるが。

俳優さんとは人の子であるから、各々の人生を一歩一歩踏みしめてきたわけだ。
しかしながら、職業柄、他者の人生を演じなくてはならない。
その場面限りの芝居をつくる方法もあるが、役柄の人生をそっくり構築してしまう方法もある。
例えば、前述の桐谷健太くんのような役者は後者を行う。

自分の人生を素(読み「もと」)にして芝居をするのではなく、新たに人生を構築する。
どういうこと?
言葉どおりで結構。
どのような時代にどのような環境に生まれ、どのように生き、どのように感じてきたのか。
出来うる限り、特に作品に関連する内容については、丁寧に構築する。
何処に。俳優さん自身のアタマの中に、だ。
やたらメモを作るひともいれば、何ひとつ文字に起こさないひともいるだろう。

役は役者の内側に、まるで植え付けたように生きている。
その脳に寄生するかのように。

なんだかホラーめいていて恐ろしいので、ここで無機質な物に置き換えよう。
貴方の目の前にあるパソコンや携帯電話が、役者の本体だとしよう。
デュアルブートまたはダブルブートと言って納得できる方には、説明は不要。

パソコンは一台しかないのに、何かの都合でOSはWindowsXPとWindows7の環境が必要になったとする。
その場合、パーテーション(記憶装置の理論的仕切)でドライブを分割し、片方にWindowsXPをインストールし、もう片方にはWindows7をインストールする。
そして、主に起動時にいずれかを選択するが、ホスト(本人)ゲスト(役柄)を同時に機動して双方をほぼ並行して使うという方法もある。

これに限りなく近い状態をつくる方法が、役の人生を構築してしまう役作り方法。
役者(ホスト)のアタマの中に、もう一人分、役柄(ゲスト)の人生を住みつかせてしまうのだ。

だから、演技中の役者にとっては役は皮一枚残したような感覚で生身の自分自身に置き換わり、限りなく『生身』の別の人間として現れる。
しかし、これは『生身』であっても、役者生来の『生身』とは異なった存在なのだ。
嬉しいのも、悲しいのも、楽しいのも辛いのも、かなりな部分を皮膚感覚として捉えるものの、それは役者本人であって本人でないゲスト人格のほう。
これで完全にゲストがホストに置き換わってしまえば本体が乗っ取られてしまって人格崩壊に至るし、制御不能だと撮影できるわけがないので、あくまでもゲストはホストの操る仮想人格だ。
仮想人格は『生身』の人として行動してみせるが、これはあくまでも役者本来の『生身』の部分とは隔てられている別人でしかない。

そうやって生まれた仮想人格本人(中身)が相談することにより、この役柄なら、この人とはこう接する、とか、こんな場面ではこのように振る舞う、とか、こんな事になればこんな反応をする、とかいうリアル臨機応変な表現が可能になる。
人の中にもう一人、人が息衝いている。
仮想人格であれ役柄は『生身』だし、その言動はたいへんリアルだ。
それなのに、その作品の撮影が完了した途端、役者は惜しげもなく仮想人格を追い出してしまうから、役柄から解放された俳優さんを見て、こんな人柄だったのか、と驚かされてしまうのだ。

そうそう真似ようとしてできるもんでもない。
まずは、おいそれと脳内パーテーションを作ることは出来はしないし、仮想人格制御するなんて夢みたいな話だし、ましてや他人の人生一人分、いちいち構築するなんて実に面倒だ。

自分の人生を歩んでいるだけでも疲れるというのに、これには気力体力も、稼働させる脳の容量もたくさん必要になる。
だから観ているこっちは、キチ●イの域だとかなんだとか、ついつい失礼な言葉を口走ってしまうのだ。

こんなややこしい生き方なんて、役者にしか出来やしない。

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