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読んで楽しい、腹立たしい、どうにもこうにもアホらしい、勝手でマニアックな映画評、ドラマ評。 Copyright (c) 2011 theosakaspirit. All rights reserved.
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「Wの悲劇」4話では、視聴者の感情移入を絞り込んできた。
軽く誘導。
しかし、まぁ、かなりの明け透けな誘導。

そりゃあ、このご時世。
優しくたおやかで世間知らずな摩子(武井咲ちゃん)が、どんなに理不尽にいじめられても同情票は少ないだろう。
かたや、身元が怪しくても可愛がってくれる雇い主(松下由樹さん)の恩も忘れて無断欠勤するわ。
売春の常習犯だわ。
そのくせ家賃滞納するわ。
で、眉をひそめられそうな筈の倉沢さつき(武井咲ちゃん)が、不遇な身の上に恨み節をぶち上げた方が自然(「じねん」と読んで)に人気は得られる。

まぁね。
実際、雲上に在るべき存在が、みだりに地表に降りることは危険だ。
その存在は毒薬とも云える。

憐れみを注ぐ立場の者が、憐れまれるべき者と同じ生活を営んではならない。
与えるべき存在と与えられる存在が同格であろうとすることは、歪みを生む。

そして、番組開始当時公開された設定との差異が如実になってきた、誰の愛も得られなかったはずの倉沢さつき(武井咲ちゃん)。
雇い主、パブのママ(松下由樹さん)の過剰なまでの愛情が判明。
ついでに、買春常連のオッサンの、妙な友情も判明。

遂には、犯人と睨んで執拗に追う弓坂刑事(桐谷健太くん)の異常な執着心の強さも判明。
あのぅ。アンタは「摩子に惹かれる」設定じゃなかったっけ?
西田刑事(岸博之さん)の言うとおり、倉沢さつきの方に惚れたのかい?

万一、これ、番狂わせだったら、視聴者的に楽しいぞ。

いろいろと、何かが行き違うのは登場人物の人生だけに終わらない。

殺人事件隠蔽工作を盛り上げる和辻家とその身辺。
これはこれで、たいへん芝居が面白いが、主演とその周辺で展開する芝居と明らかに色違い。
せっかく面白いのだから、別のドラマでこの芝居を観たかった。

前話で摩子(武井咲ちゃん)の在学先の大学まで足を運んだ弓坂刑事(桐谷健太くん)が、よもや和辻摩子(武井咲ちゃん)の存在を焙り出してはいなかったという流れに嘆息。
警視庁捜査一課。単独行動してまで無駄足踏んでた体たらく。
ここは、さすがに辻褄が掴めない。

しかし、いまここに花開く新進女優、武井咲ちゃんの一人二役。
何がどうバラついても、すべてを引き寄せるであろうキーパーソン『桐谷劇場』。

濁流のなかに潜む渦をかいぐって息づく、ほの暗い恋はどちらを選ぶ?
清らかに、鈴蘭やホワイトローズが香るのか。
はたまた、熱く身を焦がす紅蓮の炎がそれを包むのか。

原作はサスペンスだが、ドラマは、こりゃ恋愛モノに違いなかろうから。

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